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2005年12月12日 (月)

文房具を買いに

bunboguwokaini「文房具を買いに」(片岡義男 著)

僕の愛読書のひとつであるこの本は、彼のこだわりの文房具と、自ら撮影した文房具の写真で構成されている。

他の文具本でもよく見かける有名な文具が載っている。でもこの本は何度読み返しても僕を退屈させない魅力がある。

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ちょっぴりハードボイルド風味の口調で語られる文房具の数々。

でもこれは、文房具紹介の本じゃない。

それぞれの文房具の最も美しい姿を映し出している写真の数々。

でもこれは、文房具カタログじゃない。

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じゃあ何が違うのか。答えは明快である。
この本に綴られているのは文房具そのものではなく、

彼のこだわりである。

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優れた文房具が欲しければ、他の本でも事足りる。雑誌の文房具特集を読んでもいいだろう。それぞれの文房具のセールスポイントを効率よく知ることができるはずだ。

それは僕自身もそうしている事だ。物欲を刺激されたり、購入計画を立ててわくわくしたり、それはそれで小さなハッピーが詰まっていて楽しいのだ。

でもこの本は違う。もちろん数々の文房具が持つ機能は堪能できるけれど、心の琴線にふれるのは「彼の」こだわりなのである。

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できることならひとつの文房具について、十人十色のこだわりを読んでみたい、と僕は思う。しかしながら、いわゆる文具の解説本は十人十色どころか十人一色だ。

そりゃそうだ。セールスポイントが十人十色では購買意欲がブレてしまう。多くの人がその文房具を良いと感じ、欲しいと感じさせるためには十人一色が良いのだから。

しかし、この本は十人十色の中の「彼の色」を僕に読ませてくれる本だと思う。そして僕は、その色に影響されてみたり、自分の色を発見したり、この本を読みながら、そんな事を考える時間を過ごすのである。

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巷では今、ちょっとした文具ブームなのかも知れない。
しかし例えブームが去っても、この本は僕の心の琴線に触れ続けるだろう。なぜなら「こだわり」というものは、ブームとは無縁の、心の深い部分から生まれてくるものだから。

ここに描かれているのは文房具だけれど、その他のモノやコトにもこだわってみたい気持ちにさせられる本である。

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