スマイソン パナマ・ダイアリー その3
しなやかな手触りとは裏腹に「文房具界の防弾チョッキ」とも言うべき、その強靭な裏写りブロック。いやはやスマイソンの紙には度肝を抜かれました。
ところで、ミケランジェロのスマイソンノートには、万年筆で書かれた文字がびっしり並んでるんですよ。万年筆特有のインク濃淡に彩られたおおらかな文字が、びっしりと敷き詰められたその様は圧巻。
ってゆーか変態。
世の中には色んな変態がいるわけですが、ミケランジェロは多分、
筆記変態なんだと思いますよ。
とにかく自分が納得の行く筆記感を探求する事に余念がない。
そういや、スマイソン以前にも何かにつけ「○○の紙はとてもいい紙でね」としきりに言ってましたよ。
話半分で聞いてたけど。
そんなミケランジェロがたどり着いたのがスマイソンの紙だったんですね。
僕はようやく気づきましたよ。
スマイソンよ。
おまえは王室御用達だけでなく、
変態御用達
でもあったのだねと。
----------
そんなスマイソンのページをめくる変態ミケランジェロ。
ある日、その手元から聞こえる音がどうも気になったんですよ。
めくる時の音が、ペラペラというより
パリパリ
って聞こえるんですよ。
どうにも気になって確かめてみたら、これまた興味深い魅力を発見。
万年筆で文字を書いたスマイソンのページは、インクの水分を一旦吸収して、それが乾いて、文字部分がパリッとしてるんですね。
ちょうど墨が乾いてパリッとなった習字の半紙みたいな感じなんですよ。
そして習字の半紙と同じように、筆記後のページはインクの水分で、ページ全体が波打ってるんですよ。
その波打ち具合がまた
たまんねーんだ、これが。
その波打ち具合を見ていると、まるで紙がインクと出逢って、呼吸を始めたように見えるわけですよ。手帳というものは「書く」ことで命を吹き込まれるんだなっていうのが目に見えるのが感動的なんですよね。
筆記前の紙が「タマネギの薄皮」ならば、筆記後のパリパリ感は、例えるなら
パリっと揚げた鶏皮せんべい。
(また例えが食べ物、注意)
ただごわごわになるのではなく、パリッとした張りを残して変化する。
心地よい紙の手触り、そして心地よい音。
それが毎日触れる手帳から伝わって来るなんて、
ちょっとした幸せじゃね?
使うたびに何かしら幸せな感覚になる。
そんなところも文房具の魅力だよね。
----------
そういや、新品のスマイソンの紙の側面って、鋭利なカッターで断裁した金属みたいに真っ平らで気持ちいいですよね。金属みたいっていうのは、紙の側面の金色や銀色が金属感を醸し出しているというのもあるんだけど。
でもあの金や銀の装飾も、伊達にピカピカしてるわけじゃなくて、紙の強度を高めるための加工らしいですね。
そういうとこもたまんねーし。
ゴージャス感をだすためのピカピカだったらどうでもいいけど、1年365日、いやその後読み返す時までも、末永く「手帳」としてあり続けるためのひと手間。こういうところはさすがスマイソンと唸ってしまうわけです。
使い込むにつれて、何かを書いたページは、最初の金属の塊から分離して、柔らかに波打つ束へと姿を変えるわけですが、その紙の側面をずっと健気に守り続けているんですね。
----------
手帳として生まれ、ただひたすら黙々と手帳であり続けるスマイソン。
その細部に込められた機能性に、またひとつ僕は惹かれ始めたのでした。
あー鶏皮せんべい食いてえ。
(続く)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ミサイルさん、はじめまして。
ミケブログから飛んできたクチです。
今回の記事、おもしろすぎ!!!
「変態」
この一言には大爆笑させてもらいました(^^)
ほんとですよね~変態!
変態と言わせるほど、何かに対して熱烈に打ち込む姿勢は大好きだし、
自分にもその気はあって(笑)、
だから尚更ツボにはまりました。
そして、スマイソンに対する愛情が特段なかったミサイルさんならではの描写も、す~ごい参考になりました。
とりあえず書き味を試すだけの意味で、買ってみようかな??な気持になりましたよ。
痛快な記事、ありがとうございます。
続きも楽しみにしてますね^^
投稿: gratus | 2009年4月10日 (金) 19:39
こんばんは。
玉葱の薄皮の次は鶏皮せんべいですか!
(読みながら、鶏皮せんべい作りたくなりましたよ。)
しかも変態御用達(爆笑)!!
文房具界の防弾チョッキの虜になる変態が増えることは喜ばしいことです、春ですし(笑)。
まぁ、本国サイト以外で買える場所が限られてる(英語出来ません・泣)ので、競争率上がるのは困りますけどね〜(苦笑)。
先日も某所で意味もなくパナマノート一冊キープしてきた私です。ピンクって柄じゃないんですが(汗)。
投稿: びぇんふう | 2009年4月10日 (金) 21:15
ミケランジェロさんの手帳の様子は、某ムックで拝見して、「すごいな~」と思いました。
手帳だけではないですが。
そうですか・・・。
変態ですか。
素晴らしいことですね。
そう言えば、ミサイルさんとミケランジェロさんの関係に気づいたのは、ムックで手帳の内容を読んだときでした。。。
(存在を知りながら、遅すぎ・・・汗)
投稿: 聖祥 | 2009年4月11日 (土) 01:26
■gratusさん
コメントありがとうございます!
>変態と言わせるほど、何かに対して
>熱烈に打ち込む姿勢
いや、例えじゃなくて、ミケランジェロは普通に「変態」です(笑)
万年筆に対する紙の反応は、ノートや手帳の数だけあるような気がします。スマイソンの反応は目に明らかで興味深いですね。
「書き味」となると個人の感じ方の世界なので、実際に手にして書いてみるのが一番ですよね。でも問題は、「高ぇーよスマイソン」っていうこと(笑)
続編また書きますね!
投稿: ミサイル | 2009年4月11日 (土) 16:18
■びぇんふうさん
変態御用達。ミケランジェロも喜んでましたよ。変態と言われて喜ぶとは、やっぱ変態だ(笑)
ピンクのパナマノート、大胆な色ですよね。でもあの色はかっこいいと思います。
実はミケランジェロに無理やり押し付けられて1年以上使ってないピンクのスマイソンがあるんですよ(小声)
続編でまた書きますね!
投稿: ミサイル | 2009年4月11日 (土) 16:21
■聖祥さん
ミケさんの手帳、実物を見るとため息が出るほど変態ですよ(笑)
ライブで炸裂するキーボードフレーズも、その変態ノートから生まれたものだったりするんですよね。
文字が音に変わったり、文字がパワーに変わったり。「書く」ということは、様々なことにつながるのだなと思います。
投稿: ミサイル | 2009年4月11日 (土) 16:27
いっやー、よくもまあこれほどまでに人のことを変態変態と(笑)
これじゃあまるでミサイルさんが、
変態呼ばわり好きの変態のようですよ。(←ここ赤字)
紙の波打ちについて「まるで紙がインクと出逢って、呼吸を始めたように見える」とは、詩人ですね。
当方ミケブログでおんなじ表現して堂々パクるっつーのもアリかなと画策中です(笑)
なんにしてもミサイルさんのパナマ・ダイアリー観、とても楽しい! 続く更新が待ち遠しいです。
投稿: ミケランジェロ | 2009年4月12日 (日) 06:01
■ミケさん
変態呼ばわりではなく本当に変態なんです(笑)
スマイソン快適ですよ。
こうしてあらためて記事に書くと、その手帳の良さを再認識したり、思い過ごしに気づいたり、色々発見があるので楽しんで書いています。
続編頑張って書きます!パクんなよ。
投稿: ミサイル | 2009年4月14日 (火) 10:00