カテゴリー「詩」の記事

2008年4月 9日 (水)

穴のあいた靴下を捨てました
穴のあいた靴下を眺めてみると
穴なんて全体のほんの一部にしか過ぎなくて
穴以外の九割以上の部分に少し申し訳ない気がしました
穴があくまで頑張ったつま先部分よありがとう
穴があく可能性が極めて低い甲部分もありがとう
穴があいてから感謝してごめんね
穴にも何か言ってあげたいけれど
穴は穴じゃない部分が作っているわけで
穴というのは実は穴じゃないような気もしてきて
穴には何て言っていいのかうまい言葉が浮かびませんでした

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2008年4月 3日 (木)

小詩集『今度食事でも。食わないと死ぬので』

1.

鏡の中の僕が
いつまでも笑わないので

仕方なく
こっちが笑ってみたら

とたんに笑いやがった

2.

山の向こうは
雪が降っているらしい

今汽車に乗れば
トンネルの向こうは雪国だ

3.

あの枯れ木の
最後の葉が落ちた時
俺はきっと

と思い込めないのは
肝心な枯れ葉の方に
そんな意識がないからなのだろう

4.

サイコロを6回振ったのに
4種類の目しか出なかった

サイコロを1億回振ったのに
6種類以上の目は出なかった

5.

取り残された僕のとなりに
気がつくと春が来ていた

春よ
おまえはどこから
去ってきたの

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ふと悲しくなっても
陽射しも風も空も雨も優しい
春の中で君を想いながら。

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2007年4月21日 (土)

特急

元気だよ
と言う君の声が
淋しそうだったから
僕は電車に乗っている

元気だったら
それはそれで
元気な君と
楽しく遊ぼう


コーヒー飲む?
の「?」の時にする君の顔
ちょっと浮かんだ

特急なんて
名前ばっかだね
さっきからずっとじれったい

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2006年6月13日 (火)

23時に君の元に着く電車

子供の頃は
色んなものになりたかった

マジシャンとか
ミュージシャンとか

シャがつくものばっかだね

今僕はサラリーマン
シャのつかないサラリーマン

何かになりたい
なんて夢
もうすっかり忘れてたよ

さっきまで

*

23時まで電車が来ないの

電話の向こうで
退屈そうな君

電車が来るまで
もう少し話そうか

そう言ったけれど

本当はその時僕は
23時に君の元に着く
電車になりたくなったんだ

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2006年3月28日 (火)

君に逢えない日

ベイビー
君にまた逢えるまでの
僕の日々に名前をつけてみた

君に逢えない日 と

桜が咲いたり
桜が散ったりするけれど

一億円拾っちゃったり
するかもしれないけれど

ただそれは
君に逢えない日

それ以上でも
それ以下でもないんだ

そしてベイビー
君にまた逢える日に
名前をつけてみた

君に逢える日 と

それ以上も
それ以下も
だってもへったくれも
だってもへちまも
みそもくそも
もう何だっていい

君に逢えるなら

君に逢える日には飛んでいく
書きかけの詩なんて投げ出して
靴紐を結ぶのもそこそこに
電車の中でも走りたい

ほんとに少し走るかもしれない


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2006年2月13日 (月)

その朝のコーヒー

おまえに何が解るんだ

と怒鳴ったら

君は君が解る事を話し始めた

あんなことや
こんなことや
そんなことまで

ふと気が付くと
僕は君の胸に
すっぽり抱かれて

小さな勇気
みたいなものが
わいてきたような
気がしながら

いつのまにか
寝ていた


のよ


と言われて照れる朝に

コーヒー

ありがとう




banner_02 ←君でよかった、と泣きそうになったり、泣いたり。

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2005年12月27日 (火)

木について。

春。

木は花を咲かせて僕らを呼ぶ。
花を見上げる僕らは自然と胸を張っているのだ。

夏。

木は青々とした葉を茂らせ、僕らに木陰を作ってくれる。
一休みした僕らはまた頑張れるのだ。

秋。

木は風に葉を舞わせ、僕らの足元に来て話しかける。
木の葉と歩く僕らの足取りは軽やかなのだ。

冬。

木は葉を隠し、僕らに光を届けてくれる。
木の優しさを浴びた僕らは、優しい気持ちで春を待つのだ。


そしてまた
優しい気持ちによく似た
春が訪れる

きっと木は、僕らのためにそこにあるのだろう。

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木、最高。

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2005年12月 2日 (金)

ゆき

少し早く降って来た
雪は

温かく僕に降り
積もり
静かに
ゆっくりと

語りかけるように
溶けて行った

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まだ雪の降らない
東京の空の下

冷たい季節の
初めてのキスは
きっとこんな感じだろう

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2005年11月14日 (月)

うつむいている君のために

うつむいている君のために

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肩で風切る必要なんて
ないんだよ

風には吹かれようよ

ほら

風なんて色も形も
なーんにもない

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元気になってほしい
でも頑張らなくていい

花が咲くみたいに
ふつうに

花は頑張って綺麗に
咲いているわけじゃない

たまたま
花を綺麗と感じる
人間の住む地球に
ただ咲いてるだけ

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うつむいたっていいじゃない
それも人間の立ち姿なんだから

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2005年10月18日 (火)

紙の上の雲

ほしのさんのブロ★ちゃんネルDays★」で見つけた素敵な情報をご紹介します。
J Herbin(仏)のボトルインクで「Gris Nuage」という色。すごくいいです。

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ぐりすぬあげ?

この妖怪チックな名前のカラーは、日本語に訳すと

雲色。

ああ、もうダメ。
僕はこんな響きにすぐやられるんですよ。
だってだってだって、このインクを使うと、

紙の上に雲が訪れちゃうんだから。
(ただ今詩人モード・注意)

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「紙の上の雲」


その文字は雲色
すこし湿った
すこし陰った
僕の色

その雲から雨が
落っこちないように

こらえながら
こらえながら
がんばりながら
がんばりながら

君へ

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ほしのさん曰く、

>薄墨っぽい効果を期待していたのですが、わずかにブルーが
>入っている。なるほど雲ですね。
>この青みのせいで、鉛筆で書いたときのような光沢すら感じる
>こともあり、予想外レベルでとても気に入っています。


これを読んだだけでも、いかに切なく美しい色か伝わってきますよね。しかも、

>書いていると、ペン先からほんのりと水彩絵の具の香りが
>たちのぼるのも面白い。


この色に、この香り。

もうノックアウツです。(間違った複数形・注意)

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この切ない色は「J・Herbin」のサイトで見ることができます。
切ないから。泣けるから。優しくなれるから。

過ぎ去った恋がよみがえるから。


ちなみに正しい読み方は「グリヌアージュ」だそうです。
真に受けて「ぐりすぬあげ」って読まねーように。

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